旬の特集
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文書作成日:2016/05/26



  厚生労働省に設置された長時間労働削減推進本部は、長時間労働対策の強化が喫緊の課題となっている中でその対策への取組みを総合的に推進することを目的として平成26年秋に設置されたものです。ここでは、「働き方の見直し」に向けた企業への働きかけや、長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の徹底等が行われています。厚生労働省では今後、長時間労働削減推進本部を中心に以下のような取組みを行っていくことになっています。


 長時間労働削減推進本部では、働き方改革・休暇取得促進として、働き方・休み方改善コンサルタントによる企業に対する助言等の支援を行うといった企業への働きかけを積極的にとり組んでいますが、実効力を持って対応ができている企業は決して多くないようです。そのようなこともあり、監督指導の強化が行われ、昨年度(平成27年度)は、1ヶ月の残業時間が100時間を超えていることが疑われる事業場に対し、重点的に監督指導を行っています。その結果、多くの企業で違法な残業が行われていた実態が判明しました。

 この監督指導は平成28年度についても継続することになっており、監督指導の対象となる事業場の基準を変更し、1ヶ月の残業時間が100時間を超えていることが疑われる事業場から80時間を超えていることが疑われる事業場を重点監督の対象として位置づけました。

 また、昨年度は東京労働局と大阪労働局のみに設置されていた「過重労働撲滅特別対策班」を見直し、厚生労働省本省に「過重労働撲滅特別対策班」(本省かとく)を新設した上で、全都道府県労働局に「過重労働特別監督監理官」を新設しています。この過重労働特別監督監理官は、以下のような業務を担うことになっています。

・問題業種に係る重点監督の総括(企画・立案・実施)
・月80時間超の残業のある事業場に対する全数監督の総括
・本社監督の総括(問題企業の把握分析・実施・調整・指導)
・夜間臨検の実施・調整
・長時間・過重労働に係る司法処理事案の監理等

 このように監督指導体制の整備が行われ、違法な長時間労働を繰り返し行う社会的に影響力の大きい企業に対しては、是正指導や公表の取組みが着実に実施されていくことになっています。


 厚生労働省は、労働条件に関する総合情報サイト上に、「労働基準関係情報メール窓口」として労働基準法などの違反が疑われる事業場に関する情報受付窓口を設置し、労働時間など労働条件に関する相談を受け付けています。平成27年1月から12月までで、26,591件の相談が寄せられています。

 一方で、平成27年1月からは、インターネットによる情報監視(サイバーパトロール)を実施し、相談を受け付けるだけではなく、高収入を謳うもの、求人を繰り返し行うもの等の過重労働等が疑われる求人事案に着目し、情報を収集、労働基準監督署による監督指導に活用しています。平成28年度はこのサイバーパトロールについても継続して行われることになっており、今後、自社が発信するインターネットでの情報の内容を精査する必要が高まっています。また、従業員のブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)での発信についても、情報漏えいや不適切な発言がないかということに、より注意を払っていくことが求められます。

 長時間労働による過重労働が原因となり、メンタルヘルス不調を訴える人も増加しており、平成27年9月には、メンタルヘルス不調や過重労働による健康障害等に関する相談に対応する電話相談窓口である「こころほっとライン」が新設されました。平成27年9月から平成28年2月までに2,459件の相談が寄せられています。今後もこの相談窓口の利用が進められ、また平成27年12月には労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度が開始されたことから、メンタルヘルス対策が企業において進められるように、ストレスチェック制度の広報が進められることになっています。

 このような取組みが行われていることも踏まえ、自社の状況を分析し、長時間労働が見受けられる場合には効果的な対策を取るように進めていきましょう。

■参考リンク
厚生労働省「長時間労働削減に向けた取組」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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